創業ストーリー

大阪大学発のベンチャーとして設立したのが2007年。

現在、大阪大学内にある本社・研究室を拠点に、大阪市住之江区に自社工場からは実際に製品を出荷もしています。
社員数は創業時の2名から41名に増えました。

2014年の3月には大阪住之江で世界初となる大規模なマイクロ波化学工場を立ち上げ、同年の6月には総額12億円を調達。
太陽化学との食品添加物製造を目的とする合弁事業や、世界最大手の化学メーカー独BASFとの共同開発もスタートし、ますます事業に加速をかけています。

創業当時、「産業化するのは難しい」というのが世界の常識だった「マイクロ波プロセス」の事業化に取り組んでいます。

創業ストーリー

共同創業者、塚原との出会い

吉野巖は大学卒業後、三井物産に就職し、化学品を担当していました。仕事は充実していたと思います。
ただ、新しいことにチャレンジしたいという気持ちが強くなり、向こう見ずだったかもしれませんが、会社を退職し渡米。
MBAの勉強をする中で、ベンチャー企業が新しい技術やサービスを事業化し世の中にインパクトを与える様子を見て、自分も同様にチャレンジしたいという意思を固めていきました。

そして帰国後の2006年、友人の紹介である男と出会います。

大阪大学大学院の工学研究科でマイクロ波化学の研究をしていた共同創業者の塚原です。

共同創業者、塚原との出会い

彼はそれまで出会ったどの研究者とも違いました。誰よりも一生懸命だった。もっと言うと「大学のシーズで世界を変えたい」と本気で思っていました。

その後の一年間、お互い密に連絡を取り合うようになりました。当時の電話代を思い出すと今でもぞっとします。
それでも「世界中の化学産業を変革しよう」という二人の気持ちは揺るぎないものになり、翌年の2007年に会社を設立することになります。

マンションの一室からのスタート

始めは自宅マンションの一室からのスタートでした。

起業資金の600万円は創業メンバーの私と塚原が全額自己資金をあてましたが、到底足りないため公的な助成制度から支援を受けることで資金を調達しました。
ある政府機関から助成金をいただいた時も「どこで研究開発をしているのか」、「マンションの一室で出来るわけ無いだろう」、「新しく研究室を開設しなければ、助成金を停止する」、と言われる始末。 会社設立からわずか1ヶ月で消滅の危機を迎えた訳です。

その後、大阪大学に実験室を貸していただくことができ何とか壁を乗り越えることができました。

マンションの一室からのスタート

と思いきや、会社を設立1年後に発生したリーマンショック。
全くお金が集まらない状態がしばらく続きました。

そんな中、ベンチャーキャピタルや金融機関、そして冒頭の政府系機関に助けていただきながら、ギリギリでしのいでいました。

2012年には、本社機能も研究室がある大阪大学の中に移し、いよいよ事業化を本格化することになります。

事業化の壁

マイクロ波技術を化学製品づくりの現場で実用化していくためには、装置の大型化が必要条件です。

マイクロ波設備の大型化を目的として冒頭の政府機関から助成金をもらい装置を製作していたのですが、いきなり大問題が発生しました。装置にマイクロ波が通らないのです。

国から助成金を受けながら失敗する訳にはいかない。途方に暮れていた時に、共同創業者で研究者の塚原から「マイクロ波が通ったぞ!」と連絡がありました。
このときの全身で安堵した感覚は今でも良く覚えています。

その後もトライ&エラーを繰り返し、少しずつ装置を大型化していきました。

事業化の壁2011年春には化学品を日産2t生産できる設備を
神戸市もの作り復興工場内にて立ち上げるまでの大型化に成功した。

ビジネスモデルの壁

現在の事業モデルは「マイクロ波技術のライセンスや共同事業」ですが、もとからこの形態だったわけではありません。
当初はマイクロ波技術を活用して、当時注目されていたバイオディーゼルを、化学メーカーや食品メーカーなどの工場で出てくる廃油を原料としてその工場内で製造・販売しようと考えていました。しかしながら、見事に我々の目論見ははずれました。

「マイクロ波って何?体に悪いんじゃないか?」「よくわからないものをうちの工場に入れたくない」。
保守的なもの作りの現場では「マイクロ波」という新しい概念の技術を受け入れてもらえないのです。
「それなら自社でバイオディーゼルの製造をしよう」と方針転換したものの、バイオディーゼル市場が一向に立ち上がらない。

その後、「もの」を販売するのではなく、「マイクロ波を使ってどうやって作るか」という「もの作りの方法」自体を、化学メーカーに販売するというビジネスモデルにたどり着きました。

事業化の壁

「一号ライン」の壁
前例がないなら、前例をつくる

このビジネスモデルで化学メーカーに営業をかけていくわけですが、ここでも問題が発生します。
先方の担当者に「消費エネルギーは1/3、工場面積も1/5に削減できる」伝えると、最初は興味を持って聞いてくれ、開発がスタートします。
しかし、「ところで、その技術を使ったプラントはどこにあるのか?」と聞かれ、「御社が第一号になります」と答えると、だいたいそこで開発がストップ。
要するに、「前例がないものは採用できない」というわけです。世の中にない技術の実用化に挑んでいるので前例がないのはある意味当たり前なのですが、大手がひしめく化学業界では過去に実績がないことが大きな障壁だったのです。

「一号ライン」の壁

私たちはこれを「一号ラインの壁」と呼んでいます。

この壁を打ち破り、「マイクロ波化学は本当に使える技術だ」と証明するためには、我々自身が単独で工場を立ち上げるしかないと考えました。
これは「技術ベンチャーは研究開発だけやっていたほうがうまくいく」というベンチャー界の常識に反することです。
「自社工場を建設する」、会社としての方向性を大きく転換する大決断でした。

資金調達の壁

工場新設の資金調達のため、金融機関やベンチャーキャピタルに相談しても、「ベンチャー企業が工場を単独で建設するなんて無理だ」と、けんもほろろ。
その当時、ほとんどのベンチャーキャピタルや金融機関は相手にもしてくれませんでした。

しかし、そんな中、2011年にUTEC(東京大学エッジキャピタル)から技術力と将来性が評価され、投資が実現しました。
なんとか工場設立資金に目処がたち、建設まであと一歩というところで大問題が発生。

工場建設用に抑えていた土地がキャンセルされてしまい、別の土地を探さなくてはならなくなったのです。設立資金を調達した金融機関との約束がある。当初のスケジュール通りに工場が建てられないと「信頼」と「資金」を失い、「事業化もストップ」してしまいます。

資金調達の壁マイクロ波で化学品を年産3200t生産できる能力のある
世界初の製造工場を立ち上げた。

ありとあらゆる関係者の協力を得てギリギリのタイミングで新しい土地を抑えることができ、なんとか工場を建設することが出来ました。

大阪大学内の研究室の実験設備からスタートした当社ですが、2014年初に世界初の大規模マイクロ波化学工場が大阪の住之江に完成しました。

事業化へ
小さな会社が世界企業と勝負する

2014年春より大阪工場から、インキ原料となる製品(脂肪酸エステル)の出荷を国内大手インキメーカーの東洋インキ向けに開始。私たちがマイクロ波でつくった製品を使って新聞が印刷されています。

その後、マイクロ波を用いた試作棟も住之江に立ち上げました。

次第に「本当にマイクロ波を使ってもの作りをしている」ということが、化学業界に広まり始め、最近ではテレビやスマートフォンの部品に使われている電子材料や、燃料、食品向け素材など、さまざまなメーカーから「うちでもマイクロ波を使って材料がつくれるのか」という問い合わせがあります。

事業化の壁マイクロ波の試作棟も製造工場とほぼ同時期に立ち上げ

そして、2014年8月には、世界最大手の化学メーカー、独BASF社とはプラスチックなどの原料となるポリマーの共同開発契約を締結しました。
BASFとの関係が始まったのは2011年。当初はBASFも他の多くの化学企業と同様、マイクロ波を使った製造プロセスは大型化することが難しいという「化学業界の常識」をもっていました。
しかしながら、同社の担当者が、大阪工場の竣工式で私たちの設備を見学した際、「ここまで技術開発が進んでいるのか」と驚愕したことで、共同開発へと一気に進みました。
2015年には、食品素材メーカーの太陽化学と共同で、2号プラントとなる量産工場を立ち上げるほか、さまざまなメーカーとのプロジェクトを一気に実現していきます

Make Wave,Make World
~世界中の化学産業を変革する~

大阪工場、2号プラントに続き、3号・4号プラントの立上げ準備も進めています。
立地先は国内に限らず、東南アジアも視野に入れ、海外展開を進めていきます。

創業当時の「マイクロ波技術で世界のものづくりを変えたい」「新しいテクノロジーベンチャーを日本に起こしたい」という志が今もなお、私たちの原動力です。

世界の化学・エネルギー産業の市場規模は500兆円あるとされています。この1%でもマイクロ波に置き換えることができれば5兆円規模の産業です。

ここまで持っていくことが当面の目標です。

世界中の化学産業を変革する

世界中の化学産業を変革する

Make Wave,Make World.
私たちは世界中の化学産業を変革するために
これからも挑戦を続けていきます。

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