次世代薬のモノづくりにイノベーションを起こす。

ぺプチドリーム、ペプチスター様 特殊ペプチド医薬品開発プロジェクト2022.06.16

  • 業界・業種:医薬品

  • プロセス:有機合成

開発の背景

最先端の医薬品を
手に届く価格で提供したい。

特殊ペプチド医薬品は、これまでに知られているペプチド医薬品とは異なり、抗体医薬品と低分子医薬品の利点を併せ持つ新しい医薬品候補物質群として注目されています。ペプチドリームは、その研究開発において世界最先端の技術を有しており、高純度かつコストを抑えた製造を模索してきました。

マイクロ波を用いた合成により、コストを抑えて純度の高い特殊ペプチドを製造することが可能と判断し、また、これまで国内外の研究施設でもマイクロ波によるペプチド合成が行われ、その効果は広く認知されてきました。しかしながら、「なぜ効果があるのか」については解明されておらず、装置の大型化への障壁となっていました。

マイクロ波活用の意味

ラボスケールの技術を
量産技術へと発展させていく。

当初、ペプチドリームはラボスケールのペプチド合成装置を販売するメーカーに、量産向け装置の開発の打診を行いましたが、難しいという回答しか得られませんでした。そこで、マイクロ波の商業レベルの反応器実績があるマイクロ波化学との共同開発が始まりました。

早速、反応器のコンセプトを立案し、プロトタイプを開発・製作しました。これまで世界で使用されていたマイクロ波の反応器は全てガラス容器で、そのスケールアップには限界がありました。当社の反応器は金属製でその中でマイクロ波の合成反応を行うことができ、スケールアップも容易で汎用性が高いものとなっています。この結果、量産への目処を立てることができました。それは、創薬開発におけるイノベーションの誕生を意味していたのです。

開発ストーリー

世界最大規模の
ペプチド固相合成装置の開発。

当社の実験室で特殊ペプチド合成に最適なマイクロ波の反応系の研究開発を行い、2017年、プロトタイプ開発へと進みました。
1年余りの開発期間を経て、1Lサイズの金属製固相合成装置の開発に成功。この装置を用いてペプチドリームが検証を行いました。
結果、想定していた反応時間を大幅に短縮するとともに、原料であるアミノ酸の投入量を抑えられるというデータを得ることができたのです。

この充分な成果を携え、本格的な量産化に向けてペプチド原薬の製造を担うペプチスターより、各種サイズの反応器設計・製作の依頼を受けました。その中でも最大30Lサイズの装置を開発し、成功に至りました。この装置は世界最大規模のペプチド固相合成装置として、業界内に広く知られることになりました。

ペプチド固相合成装置

社会的意義

高品質、低価格の製造技術が
人々の命を守っていく。

このプロジェクトの成果によって、高品質な特殊ペプチド医薬品の量産化への道が拓かれました。研究や量産のコストがかさむという理由で、臨床試験から外されていたペプチド医薬品が日の目を見ることも出てくることでしょう。また、量産の波が広がれば、高品質なペプチド医薬品が、誰の手にも届く価格になり、人々の命を守ることにつながります。

現在、このマイクロ波技術を応用し、同じ中分子医薬である核酸医薬品製造プロセスの実用化を目指しています。核酸医薬品研究の先駆者として知られる、大阪大学の小比賀聡 教授を技術アドバイザーとして招き入れ、さらに創薬の開発・製造プロセスの革新を加速していきます。