クラッキング(M-Cracker)
-
業界・業種:環境石油化学
-
プロセス:気固反応
開発における社会的ニーズ
化学の最源流でカーボンニュートラルを
現在、国内の石油化学産業では年間6,018万トンものCO2を排出し、その内の51.5%がエチレンプラント由来です。石油化学産業の源流であるエチレンプラントは、ナフサの熱分解の為に化石燃料を使用しており、そこから排出されるCO2は、カーボンニュートラル達成に向けての課題の一つとなっています。そのため、現在CO2を発生しない水素やアンモニアへの燃料転換や、電化プロセスへの転換の開発が進められています。
「M-Cracker®︎」は、基礎化学品生産プロセスであるナフサクラッキング技術のエネルギー源をマイクロ波加熱に転換します。それにより、マイクロ波プロセスの特徴である反応場への直接加熱を行うこととなり、従来法とは違う、新しい概念の分解プロセスとなります。
マイクロ波活用の意味
マイクロ波プロセスへの転換+再生エネルギーの活用により、既存プロセスと比較して90%のCO2排出削減が可能となります。
さらには、直接加熱の実現によりナフサクラッキングを運転する上での課題であったコーキングを抑制し、エチレンプラントの競争力強化を実現させます。
今後の展望
更なる進化と、社会実装に向け技術確立
今後はナフサ接触分解技術との組み合わせにより、開発技術の更なる進化を目指します。
基盤技術確立、連続運転検証を実施し、社会実装に向けて邁進して参ります。