2022.01.24PRESS RELEASE

触媒分野の第一人者である大阪大学の山下弘巳教授が当社の技術アドバイザーに参画

〜マイクロ波を活用した水素製造技術開発を加速〜



マイクロ波化学株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長CEO:吉野巌、以下「当社」)は、触媒分野の第一人者である大阪大学工学研究科の山下弘巳教授を技術アドバイザーとして迎えました。当社では2021年5月より、マイクロ波を用いてメタンを熱分解し、水素およびベンゼンを生成するプロセスの検討を進めており、山下教授から本件に関して継続的なアドバイスを頂いていましたが、これを機に、マイクロ波を用いた水素製造領域の技術開発を更に加速して参ります。

当社は、マイクロ波プロセスの導入による産業部門のCO2排出量削減を通じて、2050年までのカーボンニュートラル実現をリードする構想である“C NEUTRALTM 2050 design”を独自に策定し、「水素製造」、「クラッキング1(石油化学産業)」、「ケミカルリサイクル」の3つを重点領域と定めました。

そのうち、水素製造領域では、メタンを熱分解して生成されるターコイズ水素2をターゲットとしています。

水素は、脱炭素社会の実現に向け新たな燃料として注目されており、中でもターコイズ水素はその製造工程でCO2を排出しないため、よりクリーンであるとされています。しかし、分解を促進するために必要である触媒の寿命が短いことが課題とされています。

当社はマイクロ波の触媒選択加熱によって、従来法に比べて分解プロセスの効率化・短時間化・低温化を実現できる可能性を見出しました。ターコイズ水素の製造技術にマイクロ波を活用することで、触媒の劣化を抑えられることが期待されます。

触媒設計の領域を中心に、触媒分野において世界的に著名である山下教授から、より戦略的なアドバイスを頂くことで、マイクロ波を利用した環境にやさしく効率的なターコイズ水素製造技術の確立を、本格的に推進いたします。

当社は、化学産業全体にマイクロ波プロセスを導入するための技術力をさらに強化し、“C NEUTRALTM 2050 design”を展開して参ります。


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1 石油精製や石油化学工業で行われる分解などの反応のこと。身近にある石油化学製品を作る出発点である。
2ドイツ連邦政府が提唱する国家水素戦略20では、CO2の代わりに固定炭素が生成すると記述されているが、当社では広義に捉え、ベンゼンが生成するケースも包括して記載。


(山下弘巳教授 略歴)

1987年3月 京都大学 大学院工学研究科 石油化学専攻

博士後期課程 修了

同年    4月 東北大学 非水溶液化学研究所 助手

1992年9月 大阪府立大学 工学部応用化学科 助手

1995年7月 大阪府立大学 工学部応用化学科 助教授

2004年1月 大阪大学 大学院工学研究科

マテリアル生産科学専攻(現)、教授

学位 1987年3月 京都大学 博士(工学)

【マイクロ波化学株式会社について】

2007年創業。マイクロ波を活用した製品製造プロセスの独自開発や、従来技術では製造困難な新素材開発に取り組むスタートアップ企業です。この技術は、医薬、電子材料、食品、燃料 など、幅広い分野の製造プロセスへ応用展開が可能で、同社は国内外のさまざまなメーカーとの共同開発や独自プラント立ち上げを進めています。

【”C NEUTRALTM 2050 design”とは】

マイクロ波プロセスの導入による産業部門のCO2排出量削減を通じて、2050年までのカーボンニュートラル実現をリードする当社独自で策定した構想です。電化とマイクロ波プロセスを掛け合わせることにより、化石資源を利用する従来プロセスと比べて90%以上のCO2排出削減を可能とします。

C NEUTRALTM 2050 design特設ページ:https://mwcc.jp/cms/carbon_neutral/


【本件に関するお問い合せ】

マイクロ波化学株式会社 管理部 奥中

住所:大阪府吹田市山田丘2番1号 フォトニクスセンター5階

TEL:06-6170-7595 FAX: 06-6170-7596 MAIL:pr@mwcc.jp