2022.01.20PRESS RELEASE

マイクロ波加熱を用いたレアメタルの省エネ精製技術の社会実装を加速 ― 量研とマイクロ波化学が実証試験の共同研究契約を締結 ―

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
マイクロ波化学株式会社



国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫。以下「量研」という。)量子エネルギー部門六ヶ所研究所とマイクロ波化学株式会社(代表取締役社長CEO吉野巌。以下「MWCC」という。)は、令和3年12月22日に、マイクロ波加熱を用いたレアメタルの省エネ精製技術の実証試験に関する共同研究契約を締結しました。

両者は、本契約に基づき、量研が独自に開発したマイクロ波加熱を用いた難溶解性ベリリウム鉱石精製技術を各種産業へ技術移転し、熱利用製造プロセスの省エネ・CO2削減化に貢献するため、事業規模プラントの設計に必要となる、実鉱石の処理量の増加に伴って課題となるマイクロ波加熱のスケール効果、およびレアメタル等有用金属を含有する種々の鉱石や団塊の溶解処理への適用性について実証試験を行います。

量研、六ヶ所研究所の中道勝グループリーダーらは、従来、難溶解性ベリリウム鉱石の溶解・精製には、2,000℃という高温の熱利用製造プロセスが不可欠という常識を覆し、化学処理とマイクロ波加熱を組合せることにより、250℃以下の低温での溶解・精製を世界で初めて成功させました。

MWCCは、「省エネルギー」×「高効率」×「コンパクト」をもたらすマイクロ波技術について、独自技術で課題を克服し、大型化できないから商品化できないとされた課題を解決し、100年以上にわたり熱と圧力を使い続ける化学産業製造プロセスに革新をもたらす独自技術の開発に成功し、実証工場でその有効性を示してきました。

量研とMWCCは、それぞれが培ってきた技術・ノウハウを基に、大量のエネルギー消費とCO2排出を行う熱利用製造プロセスからの脱却を図り、カーボンニュートラル化への貢献を目指す、共通の目標を持つことから、マイクロ波加熱による難溶性鉱石の溶解・精製プロセスを実現し、産業への技術移転を進めるために不可欠となる、事業規模プラント設計に資する工学データを構築するための実証試験を共同で進めることとし、共同研究契約を締結しました。

実証試験では、この新しい精製技術を社会実装するために、事業規模のプラント設計に資する、実鉱石の処理量の増加に伴って課題となるマイクロ波加熱のスケール効果、およびベリリウム鉱石だけでなく、現在電動車推進に伴い需要が急増しているリチウムなどのレアメタルを含有するさまざまな金属鉱石・団塊の溶解処理への適用性の検証を行います。

本技術は、種々のセラミックスなどの化合物やそれらに含まれる希少金属の回収技術としても適用可能であることから、鉱業だけでなく、金属を扱うさまざまな製造・リサイクル産業へ展開が期待できます。

量研とMWCCは、新しい精製技術の社会実装を通してカーボンニュートラル化に貢献していきます。

【本件に関するお問い合せ】

マイクロ波化学株式会社 
管理部 奥中
住所:大阪府吹田市山田丘2番1号 フォトニクスセンター5階
TEL:06-6170-7595 FAX: 06-6170-7596 
MAIL:pr@mwcc.jp

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
(研究内容について)
量子エネルギー部門 六ヶ所研究所 ブランケット研究開発部
増殖機能材料開発グループリーダー 中道 勝
TEL:0175-71-6689 E-mail:nakamichi.masaru@qst.go.jp
(報道対応)
経営企画部広報課 TEL:043-206-3026 E-mail:info@qst.go.jp
量子エネルギー部門 六ヶ所研究所 管理部 庶務課長 大澤 政雄
TEL:0175-71-6500(代表)



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プレスリリース_マイクロ波加熱を用いたレアメタルの省エネ精製技術の社会実装を加速(PDF:364KB)