2016.10.14PRESS RELEASE
宇宙でも地産地消「月や火星で地中の氷から水をつくる」 JAXAの研究提案募集に採択
宇宙でも地産地消「月や火星で地中の氷から水をつくる」
マイクロ波化学、JAXAの研究提案募集に採択
大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:吉野 巌)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で「現地調達」「再利用」で持続可能な探査をめざし、月や火星の地中の水氷から水を分離させる技術の開発をスタートします。
宇宙探査では、持続的な活動を可能にするためには、月や火星への地球からの輸送コストを抑えることに加え、物資を現地で調達する技術が必要です。JAXAは、宇宙探査イノベーションハブを設置し、地上技術を活用した「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」に関する研究提案を募集。当社の「マイクロ波凍結乾燥技術(氷から水をつくる技術)」が採択されました。
これは、マイクロ波がもつ特定の場所を選択的に加熱できる特性を活かして、月や火星の地上から地下に存在する水氷にマイクロ波を照射することで効率的に水を分離する技術です。地球上では、氷を効率よく昇華させる乾燥技術であり、月や火星においては、氷を効率よく昇華させて水として回収することが期待できます。
持続的探査の実現のための省資源・再利用・循環型のシステム構築に向けて、当社の技術が貢献できるよう尽力してまいります。
※ 今後、研究計画の調整等を経て契約の締結に入りますので、本リリースの内容は変更になる可能性があります。
【採択された提案】
課題解決型テーマIII.「地産地消型」探査技術 研究課題(3)「水の効率的な分離技術」
提案者:マイクロ波化学株式会社、東京工業大学
【研究要旨】
月や火星の地下に存在する水氷を効率的に分離するためには、直接、氷状態の水分子にマイクロ波を照射することが重要です。適切な周波数を設定することにより、氷に選択的にマイクロ波のエネルギーを伝達することが可能になります。
すでに実証段階にある半導体マイクロ波発振器を用いることにより位相を制御したマイクロ波を地下に照射することにより、氷の存在する部分に選択的にマイクロ波を照射することが可能です。
【研究概要】
月や火星の地下に存在する水氷において水を効率的に分離する技術として、マイクロ波凍結乾燥技術を提案します。凍結乾燥とは、凍結固体(氷)から昇華により水分を除去する乾燥技術です。乾燥時間が長いため、高コストでしたが、マイクロ波の「内部加熱」の特性を活用することで、時間を短縮でき、効率化が可能となります。
地球では、氷を効率よく昇華させる乾燥技術であり、月や火星においては、氷を効率よく昇華させて水として回収する技術となります。
【マイクロ波化学株式会社】
わたしたちは、電子レンジにも使われている「マイクロ波」の技術を活用して、材料開発を分子レベルでデザインすることで、次世代製品のものづくりを支える技術開発型ベンチャー企業です。自動車、電子機器などの最先端分野における「新素材の開発」のみならず、日用消費財分野についても「高収益化」を実現するプラットフォーム技術を独自開発。さまざまな分野に素材を提供する化学メーカーと、合弁事業やライセンス事業を展開しています。
当社のコアバリューは、電磁気学・化学・機械工学など、さまざまな領域におけるマイクロ波の専門家からなる開発チームに加え、ラボから実証・生産工場まで備えたソフト・ハード両面の開発インフラ。製品の特性に応じて、「最適な反応系の構築」「ハイブリッド触媒」「スケールアップ」「制御システム」を設計するプラットフォーム技術により、「新素材の開発」「高収益化」を実現します。
化学産業は、さまざまな分野へ原料を提供し、日本経済の発展を支えてきました。しかしながら、製造工程は100年以上変わっておらず、今もなおエネルギーを大量消費する重厚長大型の工場が主流です。
わたしたちは、マイクロ波化学プロセスを世界に普及することで、未来のものづくりの姿を変革していきます。
【本件に関するお問い合せ】
マイクロ波化学株式会社 管理部 大西
住所:大阪府吹田市山田丘2番8号 テクノアライアンス棟3階
TEL:06-6170-7595 FAX: 06-6170-7596 MAIL:honishi@mwcc.jp