2016.06.07PRESS RELEASE
多置換体ショ糖エステル合成技術の開発に成功 工業用途でサンプル出荷を開始
多置換体ショ糖エステル合成技術の開発に成功
工業用途でサンプル出荷を開始
阪大発ベンチャー、マイクロ波化学株式会社
大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学株式会社(以下、MWCC)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:吉野 巌)は、
このたび、多置換体ショ糖エステル合成技術の開発に成功しました。今秋には、MWCCの工場内に1バッチ100kgの
製造能力がある設備を構え、サンプル出荷を開始します。
ショ糖エステル※1は、工業用途では一般的に化粧品(乳化剤)や歯磨き粉(発泡剤)、洗剤など幅広く利用されています。
今までは技術障壁の高さから置換数分布の制御が困難でしたが、マイクロ波で製造することにより※2、ジ体、トリ体など、
置換数の制御性が高いショ糖エステルの製造が可能になりました。また、製造プロセスを簡略化できるため、
従来品よりも安価に製造できます。
既に食品用途では太陽化学株式会社(本社:三重県四日市市)と合弁会社を立ち上げ、
食品用ショ糖エステルの製造工場(製造能力:1000トン/年)を同社の南部工場内に建設しており、今冬完成予定です。
今後は、化学メーカーに向けた工業用ショ糖エステルの販路拡大に努めます。
※ 1ショ糖エステルとは
食品用途と工業用途の2種類があります。食品用途では缶飲料などに入っている乳化剤(食品添加物)などとして使用されています。
※ 2マイクロ波による製造とは
モノ体、ジ体、トリ体、テトラ体、ペンタ体、ヘキサ体等の自由設計が可能です。
【マイクロ波化学株式会社とは】
大阪大学発ベンチャーとして2007年に創業。電子レンジにも使用されているマイクロ波技術を用いて、
世の中に溢れる化成品が誕生するまでの「製造プロセスそのもの」を変革することで、
世界中の工場の省エネルギー化に挑んでいるテクノロジーベンチャーです。「世界のものづくりを変える」を基本概念として、
大企業、中小企業、研究機関、国など、ものづくりに関わる組織との共同プロジェクトを多数立ち上げ、実用化を進め、
世界最大化学メーカー独BASF社とも共同開発契約を締結しました。化学産業のものづくりは一世紀以上もの間、
変わることがありませんでした。私たちのテクノロジーで化学産業の新しい歴史をつくってまいります。
【本件に関するお問い合せ】
管理部 大西