凍結乾燥

  • 業界・業種:素材医薬品電材食品

  • プロセス:乾燥・濃縮・脱水

開発における社会的ニーズ

時間が長く高コストという凍結乾燥の常識を覆す

凍結乾燥は、医薬品や食品など多くの製品の製造で使われており、凍結したままの状態で乾燥(*固体から直接気体となる昇華という現象)する方法です。

従来の凍結乾燥は、加熱された乾燥棚から棚上の製品へ間接的に熱が伝わります。このように非効率なエネルギー伝達に依存しているため、数日から1週間といった極めて長い時間が必要です。
しかし、熱に弱い製品は低温での凍結乾燥を使わざるを得ないため、製造コストアップや工場の生産能力低下の一因として広く問題となっています。

凍結乾燥は、これまで主に食品や医薬品で広く利用されてきました。

また近年、高付加価値な素材・電子材料分野においても、微細構造や比表面積を損なわずに乾燥したいというニーズから、凍結乾燥プロセスへの期待が高まっています。
マイクロ波化学は、この「長時間・高コスト」という凍結乾燥の常識を、マイクロ波を用いた凍結乾燥技術で変えていきます。

アサヒグループ食品様に納品した凍結乾燥装置


スクリーニング試験の内容と結果

当社は、マイクロ波をエネルギー源とした凍結乾燥機を独自に設計・製作し、評価の第一ステップとして、モデル系である10%マンニトール水溶液 500 gの凍結乾燥試験を実施しました。

その結果、従来法に比べて乾燥時間を約1/4以下まで短縮できる可能性を確認しました。時間短縮により、温和な条件でのプロセス運転が可能となり、
・製品品質(風味や外観など)の劣化抑制
・凍結状態を保ったままの安定した乾燥
といったメリットも得られています。

この成果は、医薬品・食品にとどまらず、セラミックス粉体や電子材料スラリーなどの高機能素材においても、サイクルタイム短縮と品質確保を両立できるポテンシャルを示しています。

マイクロ波活用の意味

従来、棚からの二次元的な伝熱では長い乾燥時間を要しました。しかし、氷に対して直接、選択的なエネルギー供給が可能なマイクロ波を利用することで、大幅な時間短縮に成功。

凍結乾燥のイメージ(左:従来法/右:MW法)

それだけでなく、過去に培った位相制御(マイクロ波の分布を時間的・空間的に制御する)という要素技術の利用により、動かない静置サンプルでも均一な乾燥を実現します。これにより、医薬品の充填されたバイアルやインスタント食品のような製品の製造にも使える技術となりました。

位相制御イメージ

多段式マイクロ波凍結乾燥機 SiriusWave の提供

当社ではマイクロ波凍結乾燥機SiriusWaveを開発し、様々な凍結乾燥プロセスに適用可能な試験装置を販売しております。
購入やサンプル試験をご希望の方は問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。

多段式マイクロ波凍結乾燥機「SiriusWave」のカタログはこちら

今後の展望

食品・医薬品・セラミック・電子材料へも展開可能な汎用装置へ

SiriusWaveに加えて、現在当社ではより大型のマイクロ波凍結乾燥装置を開発中です。
従来の食品・医薬品に加えて、
・セラミックス粉体・電子材料分野での生産性向上
・高機能素材の品質を維持したままの乾燥プロセス設計
を新たな狙いとしつつ、汎用装置としての実装・販売を進めていきます。

お客様の材料特性やプロセス要件に応じて、
・スクリーニング試験・ラボ検証
・条件最適化・スケールアップ検討
・導入設備のカスタマイズ提案
まで一貫して支援し、マイクロ波凍結乾燥装置の導入を加速します。