2015.06.30PRESS RELEASE

東レエンジニアリングと大阪大学発ベンチャー マイクロ波を用いた乾燥設備の開発・販売で業務提携

東レエンジニアリングと大阪大学発ベンチャー

マイクロ波を用いた乾燥設備の開発・販売で業務提携

~ 全国の化学メーカーに向けた省エネルギー化学プラント設備で~

  東レエンジニアリング株式会社(以下、TEK)(本社:東 京都中央区、代表取締役:太田 進)と、大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学株式会社(以下、MWCC)(本社:大阪府吹田市、代表取締役:吉野巌)は、このたび共同開発契約を締結 し、マイクロ波を使ったハイブリッド型乾燥設備の開発を開始します。2015年度中に試験設備による実証試験に着手、2016年にはファインケミカル、医 薬、オレオケミカル、ペトロケミカル分野を中心に営業を開始する予定です。

□マイクロ波を用いた乾燥技術について

 今までの化学プラントの乾燥設備は、熱風や蒸気などでの間接加熱を用いており、化学品中の乾燥したい物質を乾燥させるためには、化学品全体を外から加熱していました。そのため、長時間の乾燥が必要になり、エネルギー効率が悪い、という問題がありました。

 マイクロ波は物質の中の分子を直接振動させ、選択的に急速に内部から加熱ができる技術です。

マイクロ波技術は、効果が広く認知されながらも 最適な周波数の選定や温度制御方法など設備設計の観点と、マイクロ波制御性や安全性の観点から設備の大型化が困難とされてきました。マイクロ波に関する知 見を長年培ってきた大阪大学とMWCCの共同開発の成果を元に、設備の試作検討を繰り返し、設備の大型化が可能になりました。

 マイクロ波の周波数を調節することで、乾燥させたい分子のみを 加熱することができ、大幅な効率化が見込めます。対象物によっては、乾燥時間を1/3〜1/10、エネルギー消費量を2/3〜1/2、設備の大きさを1 /3〜1/10に削減することも可能であり、処理量も10,000トン/年レベルまで対応することが可能です。

□今回の業務提携の狙い

 全国の化学メーカーへの営業力とプラント建設で培ったエンジニアリング力を持つTEKとの業務提携により、マイクロ波技術の化学プラントへの導入が一気に広がることが期待されます。

 今回の業務提携について、MWCCの取締役で大阪大学大学院工学研究科特任准教授の塚原保徳は「今後、乾燥設備のみならず化学品製造の現場でマイクロ波技術がますます一般化していくことになる」と語っています。

 <東レエンジニアリング株式会社について>

1960年に東レ株式会社より分離独立した総合エンジニアリング 会社として設立。国内外の東レグループのプラント建設に始まったが、早くより外部のお客様に展開を開始した。化学プラントの建設のみならず、FAなどを含 むエンジニアリングに加え、各種フィルム製造の製膜装置や半導体、FPD向けの各種装置など、ものづくり機能(機器製作)を有する業界では珍しいユーザー 系エンジニアリング会社です。大型プラント建設から液晶・半導体製造・検査装置、さらに電池製造設備まで、“エンジニアリングとものづくり”をあわせ持つ 技術力で、高度化・多様化するお客様のニーズに最適なソリューションを提供します。

<マイクロ波化学株式会社について>

2007年、大阪大学発ベンチャーとして設立。電子レンジにも使用されているマイクロ波技術を用いて、世の中に溢れる化成品が誕生するまでの「製造プロセスそのもの」を変革することで、世界中の工場の省エネルギー化に挑んでいるテクノロジーベンチャーです。
「世界のものづくりを変える」を基本概念として、大企業、中小企業、研究機関、国・・・ものづくりに関わる組織との共同プロジェクトを多数立ち上げ、実用 化、産業化を進めてきました。最近では、世界最大化学メーカー独BASF社とも共同開発契約を締結。一世紀以上もの間、変わることがなかった化学産業のも のづくり。革新的な着想で実現した私たちのテクノロジーで化学産業の新しい歴史をつくります。

【本件に関するお問い合せ】

□東レエンジニアリング株式会社

広報宣伝課:小西研一(Mail:kenichi_konishi@toray-eng.co.jp)

住所:東京都中央区日本橋本石町三丁目3番16号 日本橋室町ビル

TEL:03-3241-1546 / FAX : 03-3241-1533

URL://www.toray-eng.co.jp

□マイクロ波化学株式会社

管理部:info@mwcc.jp

住所:大阪府吹田市山田丘2番8号テクノアライアンス棟3階

   (大阪大学吹田キャンパス内)

TEL:06-6170-7595/FAX:06-6170-7596/URL://mwcc.jp