脂肪酸エステル合成
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業界・業種:素材環境食品
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プロセス:有機合成
開発における社会的ニーズ
化学品を高効率・省エネ・コンパクトに製造
脂肪酸エステルは、インク、化粧品、医薬、プラスチックなどの原料として広く使用されています。
化学品を得るには、しばしば原料だけでなく熱を加えることが必要ですが、従来は熱源として化石燃料が使用されてきました。しかし、昨今の世界的なカーボンニュートラルの潮流のなかでは、化学品製造の電化が必要になってきます。
再生可能エネルギーは高価なエネルギー源であるため、単純に化石燃料から置き換えるだけでは、製造コストが増加してしまう恐れが大きいです。したがって、再生可能エネルギーへの移行だけでなく、製造プロセスの効率化によるコストダウンも伴うことが望ましいでしょう。
試験の内容と結果
脂肪酸エステルは、脂肪酸、アルコールを原料として、有機合成(エステル交換反応/エステル化反応)により得られます。マイクロ波をエネルギー源として反応をおこなった結果、反応系全体を加熱する従来法に比べ、大幅な時間短縮と低温化を実現できました。これは設備の小型化と省エネ化をもたらしました。
マイクロ波活用の意味
マイクロ波のエネルギーは、化学反応が進行する“場”である触媒へ、選択的に伝達されるようにデザインしました。つまり、微視的には、触媒近傍が局所的に高温で、その周囲は低温という特殊な温度環境を作ることができたのです。 この反応を工業的に具現化するための設備として、世界初の大規模化学プラントである脂肪酸エステル製造設備に流通型のフローリアクターを採用しました。さらに別の製造プロセスにおいては、年間数万トン程度のスループットまでスケールアップした実績があります。
今後の展望
脂肪酸エステル製造の電化に貢献します
すでに工業化を実現した本技術を横展開し、世の中に存在する類似原料、製品へ適用していきたいと思います。