Service & Technology

マイクロ波に対する当社安全指針

マイクロ波制御に関して

制御システム

オペレーションシステムは、マイクロ波照射の制御と安全管理のシステムです。

マイクロ波照射を用いた加熱は、物質そのものを自己発熱させる内部発熱によるものであり、熱伝導や輻射を用いる従来の加熱と比較して高速で選択的に加熱できるという特徴があります。従って、適正な加熱のためにはこのマイクロ波照射をコントロールすることが重要です。

当社では、マイクロ波照射量を入射波電力と反射波電力との差で把握し、被加熱物の温度変化との関係から適正な照射が行われているかをリアルタイムでモニタリングし、マイクロ波照射手段にフィードバックすることにより適正な照射状態を維持するシステム及びエラー検知システムを開発し、実用化しています。

安全システムの構築

マイクロ波を安全に利用するために、当社ではマイクロ波の漏洩に対して細心の注意を払って設計しています。社内基準を設けてマイクロ波を漏洩させない設計、漏洩したマイクロ波を検知するシステム、非常停止システムを構築しています。

  • 漏洩防止

    電磁場シミュレーション解析やこれまでの豊富な実績をもとに、マイクロ波反応器に設置するノズルの長さやフランジと攪拌軸間のギャップ、パッキンの材質等の設計をして、マイクロ波の外部への漏洩を防止しています。

  • 漏洩検知・非常停止システム

    万が一漏洩した場合でも、漏洩検知器によりマイクロ波電源を停止する安全システムを構築しており、さらにマイクロ波に起因するさまざまな異常な因子(局部温度異常、スパークなど)もマイクロ波制御システムのインターロック中に取り込み、安全性を高めています。

  • 社内基準

    マイクロ波が人体に与える影響は電波防護指針で定められています。また通信障害など周辺機器に影響を及ぼさないよう、当社の漏洩基準は海外のガイドライン(ANSI-IEEE, ICNIRP)をも満たすレベルで設定されており設計及び運転時における性能保証項目にしています。これらにより、消防法上の危険物を取り扱う設備としての運用が可能であり、労働安全衛生法、高圧ガス保安法、電波法など各法規に準拠した設計も可能となります。

電磁界制御(制御)

半導体型(GaN)マイクロ波発振器15機によるマイクロ波空間合成

マイクロ波によるエネルギー伝達においては、マイクロ波の位相制御が可能であり、これにより、マイクロ波の有する特性を更に有効に発揮させることができます。

例えば、反応器内の被加熱対象に対して、複数の発振器から発生するマイクロ波の位相を同位相となるように制御すれば、反応器内の所望の箇所へエネルギー伝達を集中し効率よく局所的にエネルギー伝達を行うことが出来ます。

また、反応器内情報を取得するセンサと、その情報に基づいて、発振周波数をフィードバック制御できるマイクロ波制御ユニットを設けることで、エネルギー伝達効率の高い反応器を実現することも可能です。

このように、マイクロ波の位相を制御することにより、マイクロ波のエネルギーを安定的に安全に効率よく伝達することが可能です。なお、上に挙げたマイクロ波により有効にエネルギー伝達を行う事例は、いずれも当社が、特許第6261789号、特許第6109994号、特許第6088690号、として特許を取得しています。