2017.06.01お知らせ
ペプチドリーム株式会社、塩野義製薬株式会社、積水化学工業株式会社を発起人とした「特殊ペプチド原薬の研究開発、 製造及び販売を行う新会社設立」に関する内容が発表されました。
現在、この3社を中心として、当社を含む国内企業によるオールジャパン体制の構築と、最先端技術の集約による高品質特殊ペプチド源薬の低コスト且つ安定供給体制の確立について、検討を開始しています。
本件に関する内容は、ペプチドリーム株式会社、塩野義製薬株式会社、積水化学工業株式会社より共同発表されております。
詳細は下記の共同発表文をご覧ください。
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2017 年6月1日
ペプチドリーム株式会社
塩野義製薬株式会社
積水化学工業株式会社
ペプチドリーム、塩野義製薬、積水化学を発起人とした
特殊ペプチド原薬の研究開発、 製造及び販売を行う新会社設立の検討開始について
ペプチドリーム株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:窪田 規一、以下「ペプチドリーム」)、
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)及び積水化学
工業株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:髙下 貞二、以下「積水化学」)は、3社を中心 に特殊ペ
プチド原薬の研究開発、製造及び販売を行う新会社を設立することについて、検討を開始しまし たのでお知らせ
いたします。
近年、次世代の創薬技術として注目を集める「中分子創薬」において、世界各国で特殊ペプチド*医薬 品を巡る
主導権争いが始まっており、ペプチドリームを中心に国内外の製薬企業がその研究開発を加速さ せています。その
様な状況下、特殊ペプチド原薬の安定的な供給体制の確立に対するニーズが高まってい るものの、現時点では高精
度で安定且つ大量に特殊ペプチド原薬を供給できる製造受託メーカーは世界的 に見ても存在しておりません。また、
これまで広く使われてきたペプチド合成法の生産性は極めて低くそ の改善が求められていることから、現在、3社
を中心にオールジャパン体制(3社の他、大塚化学株式会 社、キシダ化学株式会社、株式会社島津製作所、長瀬産
業株式会社、株式会社中村超硬、日産化学工業株 式会社、浜理薬品工業株式会社、マイクロ波化学株式会社、渡辺
化学工業株式会社、等)の構築とさまざ まな最先端技術の集約による高品質特殊ペプチド原薬の低コスト且つ安定
供給体制の確立について検討を 行っております。
特殊ペプチド医薬品の周辺知財は、日本発のベンチャー企業であるペプチドリームが保有していること から、そ
の周辺技術を国外に拡散させずにオールジャパン体制で本検討を進めることにより、日本がこの 分野で確固たる地
位を築き、国内医薬品市場の輸入超過という課題についても根本的な解決策となり得る ことが期待されます。また、
近年社会問題になっている高額医薬品による医療保険財政面の課題にも対応 し得る特殊ペプチド原薬の供給の実現
と、世界をリードする革新的な特殊ペプチド原薬の製造受託会社の 設立を目指します。
なお、新会社の設立時期、経営体制、資本・資金計画などの詳細な内容につきましては、8月上旬以降 に発表を
行う予定です。
*特殊ペプチド:6~50 アミノ酸残基からなる一般的なペプチドに対して、天然の 20 種類のアミノ酸のみならず、
各種特殊(非天然型)アミノ酸(L-アミノ酸誘導体、D-アミノ酸、N-メチル化アミノ酸、β-アミ ノ酸等)を組み込
んだ6~20 アミノ酸残基からなるペプチドのこと。
ペプチドリームは、世界中の多くの製薬企業と特殊ペプチド医薬の研究開発を加速させています。しか しながら、
この特殊ペプチド医薬の市場を形成するのに不可欠な特殊ペプチド原薬の製造供給体制(特殊 ペプチド原薬 CMO* )
は世界的にも存在しておりません。そこで、国内に存在する各種最先端技術を戦略的 に集約することで特殊ペプチド
の原薬製造体制を確立し、世界初・世界最先端の特殊ペプチド原薬 CMO を 設立することを検討してまいりました。
塩野義製薬は、中期経営計画 SGS2020 において「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」こ とを経営
目標として掲げ、革新的な新薬を適切な価格で提供し、世界中の皆さまの健康と QOL**の改善に貢 献することを目
指しております。また、2016 年2月にはペプチドリームと特殊環状ペプチドの創製を目的と した共同研究開発契
約を締結し、自社の強みである低分子医薬品の創製力との融合による新薬創製の成功確 率の改善にも取り組んでお
ります。このたびの新会社設立は「常に人々の健康を守るために必要な最もよい 薬を提供する」という当社の企業
理念のグローバルでの実現にもつながることが期待されます。
積水化学は、推進中の積水化学グループ中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」において、ライフサイエ ンス分野を
戦略分野に位置付けるとともに、グループ外との技術等の融合(Fusion)を図ることで関連事 業の強化を目指してい
ます。具体的には、子会社の積水メディカル株式会社において検査薬・検査機器を 中心とした検査事業、医薬品開発
の研究開発支援等の創薬支援事業、医薬品原薬の受託製造等の医薬事業 を展開しており、今般の関係各社との連携に
よるペプチド医薬の受託製造分野への参入は、ライフサイエ ンス分野の強化領域(融合強化)拡大に寄与するものと
期待しております。
* CMO(Contract Manufacturing Organization): 医薬品製造受託機関
** QOL(Quality of life):生活の質(人がどれだけ人間らしい望み通りの生活を送ることが出来ている かを計るた
めの尺度として働く概念)